日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P3-20
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ポスター発表3(記憶①)
ワーキングメモリスパン課題における記銘項目数の影響
*大塚 一徳宮谷 真人
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抄録
ワーキングメモリスパン課題は,測定された記憶成分と処理成分が,高次認知課題の得点と相関がある点が特徴である。これらの課題では,処理課題の遂行と同時に記憶しておくことが必要な記銘項目の再認数によって記憶成分を測定する。この記銘項目数の範囲を操作することでワーキングメモリスパン課題における記憶負荷を操作することが可能である。この記銘項目数は測定値の分布を考慮して床効果や天井効果を生じないように通常は適切に設定されている。本研究では,この記銘項目数を操作することで記憶負荷の異なる言語的,数的,視空間的な領域のワーキングメモリスパン課題を実施した。潜在変数分析の結果,記銘項目数の違いによる記憶負荷の違いによって,ワーキングメモリの処理成分,記憶成分及び流動性知能との相関は異なっていた。この結果をもとに,ワーキングメモリスパン課題における処理成分,記憶成分の関連性について検討した。
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© 2012 日本認知心理学会
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