抄録
新奇な課題の遂行を成功させるには、課題に関する情報の集合のメンタルモデルである課題モデルを形成し、保持し、適切な時期に機能させる必要がある。また、課題文脈が変化したときには、古い課題モデルを抑制し、効率よく新しい課題モデルを形成する必要がある。本研究では、展望的記憶課題において、目標行動の実行を指示する手がかりの出現頻度が変化する状況を設定し(低頻度から高頻度へ)、その課題成績と、シフティング機能の関係を検討した。その結果、展望的記憶手がかりが高頻度になったフェーズの最初のブロックにおける手がかりの検出率とシフティング課題成績が相関を示した。課題モデルの調整には、シフティング機能が大きくかかわっていることが示唆される。