日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: O2-5
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口頭発表2(知覚・感性①/認知神経科学①)
アスペルガー障害は局所から広域への注意レベルの切り替えに困難を抱えている
*片桐 正敏河西 哲子松井 三枝室橋 春光
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抄録
【目的】本研究はアスペルガー障害のある人を対象に,同じ注意レベルへの持続的注意後の注意切り替えをレベル反復手続き用いて検討した。
【方法】成人のアスペルガー障害群11名と年齢と性を統制した統制群11名が参加した。参加者は,局所か広域レベルのいずれか一方に連続して出てくる2か3の標的を弁別することが求められた。標的レベルは一定回数反復すると別のレベルに切り替わった。
【結果】レベル反復試行では,反復回数の有意な主効果が認められた。切り替え試行では,群と切り替え方向との間の有意な交互作用が認められた。切り替えコストでは,切り替え方向と群との間に交互作用が認められた。
【考察】本研究では両群で反復利得が得られた。切り替えコストの結果から,アスペルガー障害のある人は局所から広域への注意レベルの切り替えに困難を抱えていることが示された。局所の知覚処理の増強が,彼らの抑制処理に影響を与えていることが示唆された。
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© 2012 日本認知心理学会
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