抄録
Jacoby Shimizu,Daniels & Rhodes(2005)は学習時に深く処理された旧項目と再認時に同時提示した新項目が,学習時に浅く処理された旧項目と再認時に同時提示した新項目より後の新項目の再認成績が優れることを示した。これは再認時の検索対象を特定の情報源(深い処理項目リストvs.浅い処理項目リスト)に制限することで,符号化時の処理モードが復元されるという情報源制限検索(source constrained retrieval)説で説明された。長・藤田(2011)は行為文による一般化を検討したが,新項目の再認成績に違いは認められなかった。これは学習時に行為イメージを生成したため,それを検索するだけで再認が行われたとした。本研究では学習時に行為イメージの生成を必要としない処理を行うことで符号化時の処理モードが用いられることを確認し,情報源制限検索の適用範囲を明らかにした。