抄録
リーディングスパンテストは,ワーキングメモリの個人差を反映するテストとしてよく知られ,これを用いて多くの研究がなされてきた。しかし,ワーキングメモリにおける個人差の評価に適した得点化法についての研究は,非常に少ない。今回は,主な四つの得点化法である総正再生数,正再生率,総正答セット再生数,スパン得点に加え,Cowan(2001)を参考にした新たな得点化法Memory Capacity Kについて報告する。Cowan’s Kをもとにした新たな得点化法Memory capacity Kの利点は,次の5つである。1)得点分布が広く連続的である,2)一度に記憶できた情報量を推測し得る,3)少ない文条件や試行数からでも成績の算出が可能,4)他の得点化法による成績と高い相関をもつ,5)正規分布にしたがう。また,この得点化法を用いることにより,一般的に,課せられる数が増えると,記憶できる数も増加することがわかった。