抄録
本研究では,単純接触効果において刺激の呈示回数,及び背景画像の操作による新奇な印象の付随が,人物の顔の評価にどのような影響を及ぼすかについての検討を行う。自分達の実験では,ニュートラルな顔の画像とテクスチャ画像を使って,背景の条件(毎回背景が同じか,異なるか),呈示回数の条件(3回,6回,9回),そして性別の条件(男性画像か,女性画像か)を操作し,実験を行った。実験は個別で行い,参加者には顔とテクスチャを組み合わせた画像を連続的に呈示した後,好意度,親近性,新奇性,再認についての評定を行わせた。今回の研究で女性刺激の評価は呈示回数や背景の変化の関係に依存する結果が得られた。また,男性刺激の評価はそのような傾向がないことが示唆された。