日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P1-3
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ポスター発表1(思考・言語/発達・教育・学習)
線画命名反応時間に対する伝達情報量の影響
Hick-Hymanの法則再考
*上田 卓司宇根 優子宮脇 郁高橋 優西本 武彦
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抄録

線画命名課題における反応時間を規定する要因として単語の獲得年齢や出現頻度と並び有力な変数と目されているのが,命名における一致度つまり線画に対するラベルの多様性である。多様性の程度は情報量として表しうるが,情報量と反応時間の関係については,(平均)反応時間が刺激の伝達情報量の一次関数として表される事がHick-Hymanの法則として知られている。しかしキー押し反応を実行する課題ではなく,命名の場合にはこの法則が必ずしも当てはまらないという知見もある。本研究では,命名反応時間を情報量という観点から再検討した。スノッドグラス線画刺激拡張日本語版に対する線画命名課題データを使用し,刺激物体命名,刺激が属するカテゴリー名,刺激を代表する色名,について情報量を求め物体命名の反応時間との関係を検討した。その結果,命名反応時間は刺激物体名に関する情報量との間でのみ説明可能なことが示された。

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© 2012 日本認知心理学会
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