日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P1-14
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ポスター発表1(思考・言語/発達・教育・学習)
空間語の情動と情動語の空間の不一致
身体座標系への情動概念のマッピングにおける異方性
*山田 祐樹Marmolejo-Ramos FernandoElosúa de Juan María RosaHamm Nick野口 公大
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抄録

身体特異性仮説は利き手によって情動概念が身体座標系における水平軸上に異なって配置されることを予測する。右利きの人は快概念を自分の右に,不快概念を左に配置し,左利きでは逆転する。本研究はこの身体特異的な空間−情動間連合が概念レベルでも生じるのかを垂直水平軸の比較も行いながら検討した。実験1では22カ国2153名の参加者に上下左右を示す単語の情動価を評定させたところ,母語によらず右利きでは上が下よりも,右が左よりも快と評定され,左利きでは上が下よりも,左が右よりも快と評定された。実験2では2カ国46名の参加者に快・不快単語を空間配置させたところ,母語によらず快単語は不快単語よりも上に配置されたが,水平軸上での配置に有意な差は見られなかった。これらの結果は垂直軸における空間−情動間連合が水平軸よりも顕著であること,並びに空間概念への情動評価においてより顕著な身体特異性が存在することを示唆する。

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© 2012 日本認知心理学会
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