日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P2-10
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ポスター発表2(認知神経科学/社会・感情/身体・比較/人格・臨床)
幼児の描画発達
図形のトレースと模写の分析
*杉島 一郎村上 郁美
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キーワード: 描画発達, トレース, 模写
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抄録
Williams症候群は、図形に対するトレースは出来ても模写が出来ず、見本から5cm離した描画も出来ない(Closing-in現象)報告されている(永井, 2008)。この現象は3・4歳の健常児にも見られるという。そこで本研究では、健常な3~5歳児111名に対し4つの図形刺激(正四角形・正五角形・正六角形・アンパンマンの顔)を見本とし、トレースさせる条件と模写させる条件、見本から5cm浮かせた位置のシートに描画させる条件の描画をさせ、描画成績の比較を行った。今回の発表ではトレースと模写の分析のみを扱ったが、3歳児では正四角形などのトレースもうまく出来ないが5歳になると可能になっていくこと、アンパンマンの顔は3歳児でもトレースも模写も可能であることがわかった。これらの結果から、幼児は概念をもとに描画しており、既存知識のない図形に対しては描画を失敗すると考察した。
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© 2012 日本認知心理学会
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