日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P2-13
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ポスター発表2(認知神経科学/社会・感情/身体・比較/人格・臨床)
未知顔の記憶における表情と人種の相互作用効果
*中嶋 智史森本 裕子吉川 左紀子
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キーワード: 顔の記憶, 表情, 人種
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抄録

先行研究において,怒り顔で学習するよりも,笑顔で学習した場合に,顔の再認成績の高いこと(笑顔優位性効果)が示されている。しかし,この笑顔優位性効果は内集団の成員である自人種の顔記憶で特異的に見られる現象である可能性がある。そこで,本研究では,顔記憶における表情の効果が,参加者と同人種の顔と,他人種の顔の間で異なるか否かを検討した。実験では,まず,日本人参加者に対し,笑顔,もしくは怒り顔の日本人顔,および白人顔を呈示し,学習させた。 その後,一定の遅延をおいて,ターゲットおよびディストラクタを真顔で呈示し,再認させた。実験の結果,日本人顔においては,先行研究と同様,笑顔の方が怒り顔よりも再認成績が高かったのに対し,白人顔では,怒り顔の方が笑顔よりも再認成績が高かった。この結果から,顔記憶における表情の効果は顔の人種によって異なることが示唆された。

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© 2012 日本認知心理学会
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