日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
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ポスター発表3(記憶①)
メタ理解の正確さへのワーキングメモリと文章の連接性の影響
*池田 賢司北神 慎司
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p. 87-

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抄録
正確なメタ理解には,対象レベルとメタレベルへの注意の分配が重要であるが,このような注意の分配には,文章への処理努力が影響することが示唆されている。そこで,本研究では,ワーキングメモリ (WM) と文章の連接性が,メタ理解の正確さに及ぼす影響について検討した。まず,実験参加者には,オペレーションスパンテストが実施された。その後,参加者には,説明文4本の読解が求められた。なお,連接性高条件では,連接性の高い文章が,連接性低条件では,連接性の低い文章が提示された。読解後,各文章の理解度を評定させ,最後に理解テストが実施された。実験の結果,連接性高条件では,WM容量の小さい読者の方が,メタ理解はより正確であった。これに対して,連接性低条件では,WM容量の大きい読者の方が,メタ理解はより正確であった。この結果は,文章への処理努力の違いが,読解中の注意の分配に影響していることを示唆するものである。
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© 2012 日本認知心理学会
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