抄録
本研究は,メタ記憶研究を行うための材料の外的基準として,大学受験英単語および日本語訳語の対に関する熟知価を標準化することが目的であった。大学生および成人500名が,英単語-日本語対450対のそれぞれについて見たり聞いたりした頻度を,5段階で評定した。大学入試の英語のテストを受験したかどうか,教科としての英語の得意不得意,現在の英語の勉強頻度で熟知価評定の個人差は見られるものの,これらの変数間に交互作用は見られないため,各単語対に関する熟知価の平均値は,現在の大学生および大学卒業者という母集団の代表値と見なすことができると考えられる。