抄録
対連合学習項目の背景に項目と意味的関連性の有無を操作した動画を提示した場合に対連合学習テスト成績が向上するか否かを調べた。項目と背景動画の意味的関連性を要因とした1要因実験参加者間計画を用い,36名の大学生をランダムに2群に割り当てた。約20分の個別実験で,実験参加者は12対の項目対リストの提示を受け,各単語対を背景動画と関連づけながら意図学習した。背景動画として項目対提示ごと,関連性有り条件では項目対と意味的関連性のある動画,関連性無し条件では関連性のない動画をそれぞれ12本提示した。項目対提示時間は5秒であった。90秒間の保持期間後に筆記自由再生を行わせた。結果,意味的関連性有り条件の平均正答率が意味的関連性無し条件より統計的に有意に高かった。また,背景動画の暗記への利用については,関連性有り条件では高まり,関連性無し条件では差がなく,暗記の難易度については条件間で差は生じなかった。