抄録
能動的な随伴性課題において,反応と結果の同時発生を多く体験すると,随伴性を高く評価することが見出されている(Hannah, Allan, & Siegel, 2007; Matute, 1996)。この効果は,反応確率(probability of responding)の効果と呼ばれている。反応確率の効果に関して,自由反応手続きを用いた研究は,Blanco, Matute, & Vadillo(2011)のみである。また,彼らの実験では,経験する結果密度が76%の条件しか検討されていない。そこで,本研究では,経験する結果密度が異なる2条件(76%条件,24%条件)において,反応確率の効果の生起を確認した。実験の結果,76%条件において反応確率の効果が生じたが,24%条件では生じなかった。この結果は,反応確率の効果が,特定の結果密度においてのみ生起することを示唆している。