ガス漏えいの早期発見のため、都市ガスには特有のニオイを添加している。本研究では、人の感じる実際のガスのニオイとそのイメージの関係について試験を行い検討した。 実験協力者はガスのニオイを含む13種類のニオイを嗅ぎ、ガスのニオイとの類似度、形容詞対を使った印象評定を行った。類似度の結果をクラスター分析し、実験参加者を生活臭とガスのニオイを識別できる41人のグループ1と識別できない7人のグループ2の2グループに分けた。さらに、各群の形容詞対による印象評定結果について、主成分分析を行った結果、識別できる群では、実験協力者が感じるガスのニオイとガスのニオイのイメージが合致した。一方、識別できない群ではガスのニオイとそのイメージは合致せず、ガスのニオイそのものには不安を感じるが、ガスのニオイについて明確なイメージを持っておらず、そのためニオイを識別できない可能性があることが示唆された。