日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第11回大会
セッションID: P3-37
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ポスター3 知覚・感性、注意、社会的認知
認知的負荷が高齢者の注意制御に与える影響
*加藤 公子木村 ゆみ吉崎 一人
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抄録
本研究はN-back課題を用いて認知的負荷を操作し,高齢者の注意制御の特徴を積極性効果の観点から検討した。参加者は61~73歳の健常高齢者37名であった。課題は現在呈示されている数字が1つ前(1back)あるいは2つ前(2back)と同じ時に反応ボタンを押すことであった。数字と同時にポジティブまたはニュートラル情動写真が呈示されたが,参加者には無視するように教示した。反応時間は,2back条件においてのみ,ポジティブ情動条件がニュートラル情動条件よりも長くなった。この結果からニュートラル情動刺激よりもポジティブ情動刺激に対して注意シフトが生じたことが推測できる。1back条件ではこのような結果が認められなかったことから,本研究は,高齢者の注意制御が認知的負荷の大きさに依存することを示唆する。
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© 2013 日本認知心理学会
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