抄録
本研究では,4歳から6歳までの幼児115名を対象として,目撃直後に自発的に情報を意味づけることが,遅延後の想起にどのような影響を与えるのかを検討した。幼児の日常場面を描いた絵を用い,絵の提示時に自発的に意味づけさせる群,絵を描写した物語を聞かせる群,および統制群を設け,直後および1週間後に,再生・再認課題を実施した。その結果,見た場面を直後に自発的に意味づけた場合,1週間後もより正確に場面を想起できることが示された。また,発話プロトコルを分析したところ,年長児は自発的に意味づけた場合に,年中児は意味づけを促した場合に,時間を経ると意味に焦点化して想起することが示された。従って,大人と同様に幼児であっても,減衰していく記憶に対して,意味を見出そうと働きかけているのではないかと示唆された。