日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第11回大会
セッションID: P1-22
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ポスター1 記憶、思考・言語、人格・臨床、感情・動機
任意の教示法で測定された概括的な自伝的記憶と抑うつの関連
文章完成法を用いて
*松本 昇望月 聡
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抄録
大うつ病患者などの抑うつ臨床群には自伝的記憶の概括化(OGM)がみられることが先行研究で明らかになっているが,一般大学生などの非臨床群の抑うつ傾向者にOGMがみられるかどうかは知見が一貫していない。本研究では,一般大学生を対象として,具体的な記憶の想起を任意とする教示法を用いて,新たに開発した文章完成法(PN-SCEPT)におけるOGMと抑うつ,反すうの関連を検討した。その結果,具体的な記憶の想起率と抑うつに有意な相関がみられた。具体的な記憶の想起率と反すうにも有意な相関がみられたが,抑うつの影響を統制すると両者の偏相関はみられなかった。以上のことから,非臨床群においても抑うつとOGMに関連があるとする知見が支持され,任意の教示法は文章完成法においてもOGMと抑うつの関連の検出に敏感である可能性が示された。また,非臨床群ではOGMと反すうに関連がないとする主張が支持された。
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© 2013 日本認知心理学会
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