日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: P3-2
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ポスター発表3 知覚・感性,感情・動機
自分の手の向きがstream/bounce知覚を変容する
*齋藤 五大行場 次朗
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抄録

本研究では,自らの手を中心とした座標系情報が双安定性をもつ視覚運動知覚に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。2種類の運動物体が水平方向に交差して通過(stream)、あるいは衝突して反発するような見え方(bounce)のどちらにも知覚可能である刺激を用いて,遭遇点の真下に置いた自分の手掌の向きがそれらの見え方を変容させるかどうかを検討した。その結果,左右の手掌を合わせた条件時のみに反発知覚の頻度がそれ以外の条件に比べて有意に上昇した(実験1)。この現象が視覚情報のみで生じるかを調べるため、ラバーハンドを用いて検討したところ,ラバーハンドの手掌の向きは効果を持たないことが示された(実験2)。一方、遭遇点真下に置いた自らの手を黒布で覆い隠しても,実験1と同様に手掌の向きの効果があらわれた(実験3)。これらの結果から,左右の手掌を合わせた時の自己受容感覚がこの効果に重要な役割を担っていることが示唆された。

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© 2014 日本認知心理学会
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