特に高齢者が情報機器・電気機器を使用する際に観察される「怖がり」行動(どう扱えばいいかわからないから怖くて触れない等の発話や不安に特徴づけられた行動特性)について明らかにするため,その強度をとらえる尺度の攻勢を試みた.郵送法による質問紙調査の結果,作成した9項目の尺度のうち,7項目が「人工物利用に対する怖がり」を反映していると考えられた。その平均評価値は,性差は認められなかったが,年齢については,より高い年代で「怖がり」を示す傾向が認められた。今後,怖がりが人工物利用に及ぼす影響について検討するために,各種のデータとの関係性の分析を行うとともに,怖がりと実際に新奇な人工物を利用する際の時間や操作のエラーなど達成との関連を検討する必要がある。