複数の他者の表情 (喜び・嫌悪) と人数 (1人・2人・4人) および人数情報の違い (割合・絶対数) が選好判断に及ぼす影響について検討した。実験では、ターゲット刺激の周囲に顔画像が複数枚呈示され、その表情が喜びまたは嫌悪に変化した。その際、4枚の真顔画像の内で0人・1人・2人・4人のいずれかが表情を変化させる割合操作と、0人・1人・2人・4人の真顔画像が呈示され、その全ての人物の表情が変化する絶対数操作のいずれかが行われた。その結果、喜びへの表情変化に関しては、割合操作では4人中2人・4人の表情が変化した際に好意度評定が上昇し、1人の変化では好意度評定は上昇しなかった。一方絶対数操作では、1人・2人・4人全ての条件で好意度評定が上昇した。嫌悪への表情変化に関しては、割合操作・絶対数操作のいずれにおいても1人・2人・4人全ての条件で好意度の低下が見られた。