Jacoby, Shimizu, Daniels, & Rhodes(2005)は再認テスト時にテスト項目が特定の情報源で提示されたかどうかに基づいて判断した場合,学習項目だけでなく新項目にも処理水準効果が生じることを報告した。長・藤田(2014, 前件発表)では符号化時と検索時の行為を実演した場合,新項目に処理水準効果が生じることを報告した。これは符号化時と検索時の処理が一致した,もしくは検索時の実演が符号化時の実演による示差性を消失させ,処理モードを再現したかによって説明される。そこで本研究では長・藤田(2014, 前件発表)の示した結果が,符号化時と検索時の処理が一致したことによるものか,それとも検索時に実演することの効果なのかを,検索にのみ行為を実演することで検討した。その結果,新項目に処理水準効果が生起し,長・藤田(2014, 前件発表)は検索時に実演する効果である可能性が示唆された。