抄録
美的ユーザビリティ効果とはWebサイトなどのインタフェースに対して、美しいものは使いやすいだろうと判断してしまう現象である。美的ユーザビリティ効果の生起メカニズムはいまだ未解明であるが、大半の美しさが流暢性と呼ばれる情報処理の容易さに規定されることを踏まえると、流暢性によって美的ユーザビリティ効果を説明できる可能性があると考えられた。本研究では刺激として8種類のWebサイトのコントラストを4段階に変化させたものを用いた。参加者はこれらの刺激から8枚を順次提示され、美しさと使いやすさを測定する質問に答えるよう求められた。結果として、本研究でも美的ユーザビリティ効果が生じることが確認された。また、流暢性が高い刺激を提示された時ほど、美しさの判断および使いやすさの判断が高くなることも示された。よって、流暢性は美的ユーザビリティ効果の生起メカニズムを解明するための重要な要因だと考えられる。