日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: P1-9
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ポスター発表1 知覚・感性,社会的認知,発達・教育・学習,一般
視線のカスケード現象の生起条件についての検討
*齊藤 俊樹大谷 昌也金城 光
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抄録

視線のカスケード現象とは,好きなものを選ぶ判断(選好判断)の際に,選択決定よりも時間的に先行して選択する刺激へ視線が偏るという現象のことである (Shimojo et al., 2003)。これまでの研究でカスケード現象は知覚していない記憶上の刺激に対しても生じることが報告されている。本研究では,記憶上の刺激に対してもカスケード現象が起こるのか,記憶保持時間によって視線の偏りの強さが変化するかを実験1で検討した。先行研究ではカスケード現象が選好判断以外でも生じる可能性が示唆されており,実験1において選好判断と選嫌判断での視線の動きに差がみられなかったことから,実験2では判断条件を増やしカスケード現象の違いを検討した。その結果,選好判断以外の判断でも最終的に選択した刺激への視線の偏りが認められた。本研究より,視線の偏りが好意判断に特別に影響していない可能性が示唆された。

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© 2014 日本認知心理学会
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