日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第12回大会
セッションID: P2-30
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ポスター発表2 記憶,思考・言語
外的刺激がもたらすマインドワンダリングのメタ覚知
外的刺激による注意の焦点化への妨害からの検討
*大塚 翔
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抄録

本研究では,外的刺激によりマインドワンダリング(MW)に気づく(メタ覚知)仕組みを,外的刺激による注意の焦点化への妨害に着目し,検討した。実験では,参加者に次々に現れるターゲットの呈示位置を同定させ,その反応時間を測定した。また,この課題中,目立つ視覚刺激(キュー)を疑似ランダムなタイミングで呈示した。そして,キューによりMWに気づいた時を抽出するため,課題中,無関連思考の生起に気づいた時にそれを自己報告させ,一方で,キューを呈示してもMWに気づかなかった時を抽出するため,40%のキュー呈示後に,プローブ画面によりMW生起の有無をt尋ねた。実験の結果,キュー呈示後にMWの自己報告があった時でのみ,キュー呈示直後の反応が遅延していた。この遅延は,外的刺激により現在の心的活動(MW)への注意の焦点化が妨害されたことを反映しており,この妨害がマインドワンダリングのメタ覚知を促した可能性を示唆している。

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© 2014 日本認知心理学会
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