メール等で用いられる顔文字について、怒りと嫌悪の感情表現の相違は顔のどの部位で行われるか、程度表現の相違はどの部位に表出されるか、大学生148名に眉・目・口の部品を与えて、怒りと嫌悪について100%~20%までの顔文字を10種類作成させ、検討を行った。その結果、目と口の部品の相違によって怒りと嫌悪の相違が表出されていた。郷田・宮本(2000)の研究等で怒り認知は顔の上半分で行われているとの報告があることから、どの程度怒っているかの表現については眉と目の変化で行われると予測したが、本研究の結果、口の変化がもっとも大きいことが分かった。予測と異なり、怒っていることを目もとで表現するため、目はほぼ固定され、口元のバリエーションでその程度を表している可能性が示唆された。ただし、嫌悪に関しては目・口ともに良く変化しており、今後の検討課題と考えられる。