抄録
本研究では日常生活における失敗行動の頻度を尋ねるCFQ(Broadbent et al., 1982)について、因子構造やパーソナリティ特性との関係から検討を行なった。CFQは現在も産業・交通・臨床・医療など幅広い領域で用いられており、全般的な失敗傾向の測度としては信頼性や妥当性が確かめられているが、尺度の因子構造を検討した研究では必ずしも一貫した結果は得られていない。366名の大学生にCFQを実施して因子分析を行なった結果、「行為のミスディレクション」、「注意の転導」、「もの忘れ」、「人名」と解釈できる4因子が得られた。次にFFPQ-50を用いて失敗因子とパーソナリティ特性との関係を調べたところ、統制性、情動性、遊戯性との相関において失敗因子間でいくらか違いがみられた。失敗の下位因子を区別することで、認知機能に関する他の質問紙との関連を調べる際にも詳細な検討が可能になると期待される。