日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P3-08
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ポスターセッション3
縦のつながりは支配的
空間と感情の連合の異方性
*佐々木 恭志郎山田 祐樹
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キーワード: 感情, 空間, 身体化認知
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抄録

空間と感情は心内で連合している。具体的には,上および利き手側の空間と快感情,下および非利き手側の空間と不快感情を結びついている。近年,上下と感情の連合の方が,左右と感情の連合に比べて,顕著であることが報告されてきた。本研究では,この空間と感情の連合における顕著性の違いと各研究で用いられた課題の種類の間の関係を明らかにするために,18本の論文を対象にメタ分析を行った。分析は,反応時間課題(RT課題)用いた研究とそれ以外の課題(非RT課題)を用いた研究に分けて行った。結果として,上下と感情の連合を扱った研究では,RT課題および非RT課題ともに効果量は0と有意に異なっていたが,左右と感情の連合を扱った研究では,RT課題でのみ効果量は0と有意に異なっていた。これらの結果は,上下と感情の連合の影響は広範囲の認知処理で見られる一方で,左右と感情の連合は処理の流暢性や効率性に特化して影響を与えることを示唆している。

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© 2016 日本認知心理学会
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