日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: O2-03
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口頭発表2 日本語セッション2 (知覚・感性1)
「押すー押される」の非対称性が身体伸縮感覚の誘発に与える影響
*森 光洋小鷹 研理
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抄録
近年, 身体所有感を変調させることによって, 身体像の一部あるいは全体を収縮・拡大させる試みが行われているが, 彼らの実験系では身体像のサイズが変容していくプロセスそのものを体感することはできない. 本稿では, 同期した振動刺激によって, 空間的に離れた左右の手が触れ合うように感じる自己接触錯覚(STI)の誘発中に両手間の距離を制御することによって, 指の伸縮感覚を誘発する手法を提案する. 被験者実験では, 提案手法における振動の効果と両手間の近接性の効果を検証した. その結果, 振動の有無による伸縮感覚指標(主観評価値・ドリフト値)への影響は限定的であった一方で, STIの強度と伸縮感覚指標との相関に着目したところ, 特に左右の人差し指が重なる条件下で強い正の相関が確認された. さらに, 特定の試行で, HMDを用いて左右いずれかの指が伸縮するCGイメージを連動して与えたところ, 伸縮する指に関する側方性が操作されることがわかった.
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© 2016 日本認知心理学会
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