抄録
現在、様々な場面における操作が自動制御システムに置き換えられてきている(例:自動運転車)。一方で、操作する喜びや学習効率に対しては、操作主体感が重要である。本研究では、自動制御時の操作主体感を検討した。特に、運転における要因として、目的指向行動(例:目標とする空間に車を停止させる)、結果の現れ方(例:ブレーキを踏むと減速して停止する)に焦点を当て、それらが操作主体感の主観評価に与える影響を検討した。実験では、直線運動するボールにキー押しでブレーキをかける課題を行った。その際、停止させるべきゴールの有無、結果の現れ方(すぐに停止、減速して停止)を操作した。また、多くの試行でボールはキー押しとは独立に自動的に停止することを教示した。実験の結果、自動制御時には操作主体感は低下した。しかし、ゴールの存在、徐々に結果が見えることは、自動制御における操作主体感の低下を軽減させることが明らかになった。