日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P2-17
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ポスターセッション2
人称代名詞は日本語行為文の再認記憶に影響しない
*望月 正哉相澤 裕紀
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キーワード: 再認記憶, 代名詞, 行為文
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抄録
英語の文章刺激を用いた再認記憶課題では,二人称の主語の文のほうが,一人称,三人称の主語の文よりも成績が良いことが示されている。これは二人称の主語が読み手の感覚運動経験に関するシミュレートを促進するためであると解釈されている。本研究では,再認記憶に対する主語の効果が主語を含まないこともある言語の一つである日本語文でも起こるのかを検討した。参加者は「私」「あなた」「彼/彼女」で始まる文章を読み,記銘した。10分間の遅延課題を受けた後,参加者は主語を落とした文に対する再認課題を受けた。その結果,先行研究とは異なり,再認の感度は主語の違いによって差異がみられなかった。この結果は,日本語文では視点に関する心的シミュレーションが生起しない,もしくは生起しても再認記憶へは影響を与えないことを示唆している。
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© 2016 日本認知心理学会
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