本研究では、顔認知過程において親密性が及ぼす影響を日本人女性・中国人女性を対象に検討した。親しい友人ペア2人組で実験に参加してもらい、実験前に写真撮影を行った。実験では、参加者自身と親友の画像(親友条件)及び参加者自身と未知女性の画像(未知女性条件)を15段階の割合を設けてモーフィングした画像を用いて自他判断課題を行った。その結果、未知女性条件の場合は、親友条件に比べて自己が含まれる割合がより高くないと自己と回答しなかった。この結果から、自他の顔認知は相手との関係性に応じて調節されていることが示唆された。