主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第18回大会
回次: 18
開催日: 2021/03/03 - 2021/03/04
随意運動とそれに付随する感覚情報は,不随意運動とそれに付随する感覚情報と比較して,知覚的に結びつきやすいことが知られている(intentional binding).運動に伴い僅かに遅れて聴覚刺激を呈示すると,運動の知覚時刻は刺激側へ,聴覚刺激の知覚時刻は運動側へとシフトし,結果として,実際よりも両者の知覚間隔が近接する時間知覚バイアスが発現する.この代表的な測定方法として,運動ないしは聴覚刺激が,1周2,560 msで運針する時計(リベット時計)上のどの時刻で生じたかを報告する手法がある.本研究では,このリベット時計と不随意運動を実現するスイッチを物理的に製作し,intentional bindingの再現性について確認した.実験の結果は,先行研究の結果を再現し,我々が開発・構築した実験系がintentional bindingの計測に有用であることを示した.