日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第18回大会
セッションID: PT2_42
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ポスター2
視聴覚刺激間の協応関係が同時性知覚の再較正に与える影響
宇野 究人横澤 一彦
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抄録

視覚刺激と聴覚刺激が一定順序で連続提示されると,2刺激に対する同時性判断が提示順序の方向へシフトする(同時性知覚の再較正)。本研究では,「高音と高い位置の視覚刺激,低音と低い位置の視覚刺激が結びつきやすい」という刺激間の関係性(感覚間協応)が,同時性知覚の再較正に与える影響について検討した。参加者は順応フェーズで交互に提示される視聴覚刺激を観察後,一対の視聴覚刺激に対する同時性判断課題を行った。順応フェーズの刺激系列は,協応関係に整合する視聴覚刺激をグループとみなした時にグループ内で視覚刺激が先行する場合(高音–低位置–低音–高位置–高音…)と,聴覚刺激が先行する場合があった。これら2条件それぞれについて,順応フェーズ後の同時性判断の結果から主観的同時点を算出したところ,条件間で有意な差が見られた。この結果は,感覚間協応に基づくグルーピングに従って,同時性知覚が再較正されることを示している。

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© 2021 日本認知心理学会
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