抄録
条件文の解釈は、内容や解釈する者の視点によって変化し、条件文の後件が望ましい内容では(例:京都議定書が批准されれば、温室効果ガスの排出量が削減される)前件を推奨し、望ましくない内容では(例:京都議定書が批准されれば、景気が悪化する)前件を控えるよう主張していると解釈される (Thompson et al., 2005)。本研究では 、日本人参加者を対象にThompson et al. (2005) の追試を行い、条件文の後件の望ましさ(positive, negative, neutral)と解釈する視点(文章の書き手・読み手)によって、条件文の解釈に違いが出ることを明らかにした。さらに、Cognitive Reflection Test (Frederick, 2005)を行い、熟慮性が高い参加者ほど、条件文の内容や視点によらず、論理的規則に従った条件文の解釈を行うかを検討した。