日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P2-B15
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移動ドットの個数推定に非同期終了と移動ドット数が及ぼす影響
*星野 祐司
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抄録

作動記憶の処理には限界があるため,状況に応じて作動記憶の内容は更新されると考えられる。知覚された手がかりによる更新を検討するために,画面上に複数のドットを短時間提示し,それらの一部を移動させ,提示直後に移動したドットの数を推定する実験を行った。先行研究では,移動する複数のドットが異なるタイミングで移動を終了する提示条件で,同時に終了する提示条件よりも,実験参加者による推定数が少なくなることが確認されている。本実験では移動ドット数が少ない条件と多い条件を比較し,移動ドット数を推定するために実験参加者が用いる方略の影響を検討した。37名が実験に参加し,どちらかの条件に無作為に割り当てられた。両条件において,異なるタイミングで終了する提示条件での推定数減少が見られ,方略の影響は示されなかった。実験結果は作動記憶における忘却とドットの移動終了と事象分節化との関連性を示唆すると考えられる。

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