日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: O-10
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口頭
認知的プロセスとしてのインタンジブルズ
-集団思考と認知のゆがみの実証研究-
*野中 直人
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抄録

今日、無形資産に注目が集まっている。特に、会計学においては、会計情報の信頼性に疑義を与える要因としてとらえられている。(Lev,2008)。そのような流れの中、オンバランスされていない広義の無形資産、すなわちインタンジブルズ、に対する研究が近年蓄積されている。しかしながら、これまでのインタンジブルズは演繹的に導出されたものではなく、経験から列挙されたもの、すなわち帰納的に導出されたものであると考えられる。そこで、インタンジブルズを、社会的交換価値を経済的価値に変換する認知的なプロセス、ととらえる。組織資本、人的資本、知的資本、などは、原理的にどの組織にも存在すると考えられるが、組織が認知して初めて、経済的価値に変換される。そこで、質問票をベースに、H1)インタンジブルズが多いほど、経営者と担当者の認知のずれが起こりやすい、H2)意思決定プロセスによって、インタンジブルズの認知が変わるか、を検証する。

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