日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P2-B21
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感情制御方略がアレキシサイミア傾向と共感性の関連に及ぼす影響
*細川 亜佐子北神 慎司
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抄録

アレキシサイミアは自己の感情認識に乏しい性格傾向であり,他者への共感性も低いことが示唆されている。アレキシサイミア傾向が高い場合,共感性を介した互助に結びつきにくく,精神的健康の問題を抱えやすい。他方,感情制御方略は,精神的健康と関連し,心理臨床への応用が期待されている。感情制御方略はアレキシサイミアと共感性の関係に影響すると考えられるが,その関連性は明らかにされていない。そこで,本研究はアレキシサイミア傾向による共感性の抑制効果が感情制御方略によって異なるのかを検討するため,質問紙調査を実施した。その結果,アレキシサイミア傾向が高いほど共感性は低下するが,物事の捉え方を変えることでネガティブ感情を緩和する「再評価」方略の使用傾向が高いと,認知的共感性が高くなることが示唆された。したがって,感情制御方略を調整することで,アレキシサイミア傾向による共感性の抑制を低減する可能性が考えられる。

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