日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: O-25
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口頭
Verbal Field in Gestalt Psychology
*Songqi HAN
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抄録

認知におけることばの役割は、長い間心理学者や哲学者たちの間で議論されている重要なテーマである。ゲシュタルト学派を代表するケーラーとコフカは、この問題について、場の理論を通じて独特な解答を提示した。ゲシュタルト心理学の場の理論、すなわち行動場の理論は、行動主体と行動環境との二元対立を突破し、行動を説明する新たな方法となる。しかし、感覚与件とは違い、ことばは、行動場の重要な構成分と一般的に見なされている感覚場に現れていない。人間の行動場は、感覚場だけでなく、言語場によっても構成されている。本研究は、言語場が如何にして認知と行動に影響を与えているかについて論じたい。言語場の理論を通じて、コフカの意志論が主張する人間の「有限な自由」の意味を明らかにする。人間には自主的な行動があるが、人間が場の支配から解放されたとは言えないことが分かる。

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