日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P1-A18
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動機づけられた推論と信念バイアス 宗教性,事前信念と思考スタイルが情報の信頼性評価に与える影響の検討
*中村 紘子
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抄録

動機づけられた推論とは,個人の目標や動機が推論に影響することであり,一例として,政治的立場により気候変動に関する情報の評価が異なることが挙げられる (Druckman & McGrath., 2019)。熟慮性が高い者は目標と合致するように情報を処理できるため,動機づけられた推論がより強いことが示されている (Kahan, 2013)。一方,動機づけられた推論として報告されている現象は,事前信念による信念バイアスの一種だという指摘もある (Tappin et al., 2021)。本研究では,宗教に関わる情報を評価する際に,動機づけられた推論が生じるか,および,思考スタイルによって動機づけられた推論の程度が異なるかを,宗教性と事前信念との関係から検討した。その結果,宗教に関する情報の信頼性の評価は事前信念により異なることが示されたが,宗教性や思考スタイルによる影響は見られなかった。

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© 2022 日本認知心理学会
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