日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P2-B07
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好きこそ読みの上手なれ
物語に対する好意と読書習慣が文章の印象に及ぼす影響
*井関 龍太菊池 理紗望月 正哉
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抄録

物語を読むのが好きであることは,読書や勉強につながる可能性があることから好ましく捉えられることが多い。しかし,物語に対する好意が読書習慣に結びつき,さらに読書習慣が読書体験を変えるのかについては明らかでない。本研究では,物語が好きであることと実際によく本を読むことが同一の文章に対する印象にどのように影響しているのかを調べた。200字弱の短い文章を読んで,わかりやすさやイメージのしやすさの評価を求めたところ,物語を読むのが好きであることは,同じ文章をよりわかりやすく,よりイメージがわきやすいと評価することに寄与していた。一方で,よく本を読むことは,物語を読むのが好きであることと正の関連を示したものの,わかりやすさやイメージのしやすさの評価とは関連しなかった。これらのことから,物語が好きであることは,単に本をよく読む習慣を形成すること以上に読解体験そのものに影響を及ぼすことが示唆された。

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