日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_D20
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ポスター(知覚・感性)
アファンタジア当事者の日常生活における困難と対処法について
*髙橋 純一齋藤 五大大村 一史安永 大地杉村 伸一郎坂本 修一堀川 友慈行場 次朗
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抄録

心的イメージは日常の様々な課題解決の場面で用いられているが,イメージを生成することに困難のあるアファンタジアの当事者が,どのような場面で困難を感じ,どのように種々の課題を解決しているのかはわかっていない。本研究はアファンタジアの人々が抱える困難や対処法を理解するために,視覚イメージ鮮明性尺度の評定点が32点以下の39名を対象に,当事者の日常生活場面におけるエピソード(自由記述)を分析した。結果から,イメージをできないことが原因で困難であると考えている者では,顔や出来事のシーン,地図などの視覚イメージの想起に困難が見られた一方で,それを写真やメモなど外部記憶の活用によって補っていたり,見たものを概念や言葉に置き換えて記憶したりする対処法も報告された。社会がアファンタジアの存在を知り,その認知特性の理解が進むことで,イメージ多様性を含めたインクルーシブな環境の構築に近づくものと考える。

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© 2023 日本認知心理学会
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