日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: O_E01
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口頭(思考・言語)
書体の形態における顕著性判断のメカニズムの検討
*齋藤 岳人井上 和哉
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抄録

書体の顕著性(目立ちやすさ)は,ヒトの記憶において重要な要因である。例えば,重要な情報を顕著性の高い書体で表し,注意を促すことで,記憶を促進する方法が利用されてきた。しかし,顕著性がその書体自体の特徴で判断されるか,組み合わせた書体との関係で判断されるかは十分に検討されていない。顕著性が組み合わせた書体で異なるならば,単一の書体の操作だけでは記憶への効果は限定的である可能性も否定できない。そこで,本研究では書体の顕著性がどのように判断されるかを検討した。電子広告用の書体で表した複数の単語の中で一つを異なる書体で表し,どの程度目立つかを評定させた。電子広告用の書体3種類と異なる書体24種類を組み合わせて提示し,それぞれの参加者間平均を算出した。組み合わせた書体間で顕著性の相関係数を算出したところ,.90以上の正の相関が認められた。この結果は,書体自体の特徴から顕著性が判断されることを示唆する。

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© 2023 日本認知心理学会
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