日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: O_E02
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口頭(思考・言語)
Flesch-Kincaid等古典的可読性指標の言語モデルとしての新解釈
*江原 遥
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抄録

可読性(リーダビリティ,読みやすさ)を数値として自動評価する事は、読解という日常的な認知行動を理解するための重要課題であり、教育等への応用も幅広い。英文テキストの可読性指標としては、Flesch-Kincaid Grade Level (FKGL)等の指標が有名であり、英語圏では社会の様々な場面で利用されるなど社会実装も行われている。一方、こうした手法は母語話者にとっての難しさであるため、こうした古典的な可読性指標をヒューリスティクスと批判し、非母語話者用の可読性指標を最新の大規模言語モデル等を用いて理論的妥当性の高い形で構築する研究が、人工知能分野・自然言語処理分野で行われている。こうした流れに対し、本研究ではFKGL等の古典的可読性指標も、言語モデルから計算されるパープレキシティという複雑性の線形和として表現できる事を示す。これにより、他の言語モデルとのFKGLの比較や、FKGLの英語以外の言語への応用が理論的に可能になる。

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