日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: O_E04
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口頭(思考・言語)
適応的道具箱の認知プロセス:マウストラッキングによる検討
*白砂 大香川 璃奈本田 秀仁
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抄録

人が状況に応じて判断方略を使い分けることで正確な判断を導いているとする枠組みは、適応的道具箱と呼ばれる。本研究では、二者択一の判断課題におけるヒューリスティック使用者と知識使用者との間で、どのような判断プロセスの違いが見られるかを、マウストラッキングの手法を駆使して検討した。まず、行動データに基づき、各参加者が用いたと考えられる方略をモデルベースで推定した結果、難易度の高い問題でヒューリスティックの使用が多く見られた。続いて、選択行動中のカーソル軌跡を分析した結果、ヒューリスティック使用者・知識使用者とも課題冒頭からマウスを走らせていたものの、ヒューリスティック使用者は選択直前に回答を修正する傾向があった。本研究の知見は、人が判断方略をどのようなプロセスのもとで用いているのかという新たな観点から、適応的道具箱の枠組みを拡張する布石となるだろう。

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