日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_B20
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ポスター(思考・言語・注意)
注意の瞬きにおける神経律動の役割:オープンデータを用いた検討
*川島 朋也澁澤 柊花*天野 薫
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抄録

注意の瞬き(AB)とは、高速逐次呈示される視覚刺激(RSVP系列)から標的刺激を2つ検出する際、その時間間隔が短い場合に2つ目の標的刺激(T2)を正しく検出できない現象である。Kawashima et al. (2022)はRSVP系列直前に10Hzの音刺激を呈示するとABが増強することを報告した。本研究では、音刺激が介入しうる神経律動について示唆を得るために、オープンデータを用いAB試行とno-AB試行の神経律動の違いを探索的に検討した。分析の結果、RSVP呈示前のα波のパワーにAB試行とno-AB試行の差は認められなかった。一方で、RSVP中の試行間位相同期にAB試行とno-AB試行の違いが認められた。この結果は別日に取得された同一参加者の脳波データセットでも認められた。以上から、10Hzの音刺激によるABの増強は、RSVP中の位相同期の阻害に起因する可能性が示唆された。

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© 2023 日本認知心理学会
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