日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_C04
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ポスター(社会的認知・発達・教育・学習)
開眼・閉眼状態が顔の魅力に及ぼす影響
*鎌谷 美希福田 冴恵河原 純一郎
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抄録

顔の魅力は,形態的特徴だけでなく視線方向などの社会的手がかりの影響を受ける。これまでに,評価者を直視する顔は直視しない顔よりも魅力的だと評価されることが動的・静的な刺激によって明らかにされてきた。これは,直視によって注意が評価者自身に向いていると認識されるためと考えられている。視線方向は顔の魅力との交互作用がみられることに注目し,本研究は,眼の開閉による視線の出現・消失が顔の魅力評価に及ぼす影響と顔の魅力との交互作用を動的・静的な刺激を用いて検討した。動的な視線の消失と静的な閉眼状態の顔は,魅力が低く評価されると予測した。その結果,動的な刺激は予測に反して,視線の出現条件と消失条件に有意差はみられなかった。一方,静的な刺激は顔の魅力が高い場合に,予測と一致して閉眼条件は開眼条件よりも魅力が低く評価された。本研究の知見は,顔の魅力において視線方向と視線の消失が持つ機能が異なることを示した。

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