主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第21回大会
回次: 21
開催日: 2023/07/01 - 2023/07/02
高齢ドライバの運転評価において、交通事故件数は一つの指標であるが、観測数が少なく、リスクを見逃す可能性がある。そこで代替指標として速度管理能力や法令違反と関連のあるRDEが提案された。しかし、RDEは検出閾値による意味合いの違いが指摘されるため、その相違点を明確にすることが重要である。本研究では、高齢ドライバの運転評価指標についての知見を得るために、DAHLIA-DB (名古屋大学COI) の高齢ドライバ84名のドライブレコーダデータから、X軸のピーク加速度の閾値-0.35g、-0.50g、-0.75g (RDE35、50、75) として検出したRDEの違いを検討した。構造解析により各RDEと認知機能などの人間特性との関係性を検討した結果、RDE75と異なり、RDE35とRDE50 (特に標識のある交差点) にはプランニング機能や注意配分、視覚機能といった人間特性との関連性が示され、交差点に進入する際の速度管理 (プランニング) 能力や運転適性を反映することが示唆された。