日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: O4-3
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目視による表面明度比較の精度検証と評価手法の提案
*鈴木 綾子*大野 央人*榎並 祥太*星野 慧
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抄録
ユニバーサルデザインのため、駅トイレなどの壁紙と衛生器具との間には輝度比を設け、衛生器具の配置が見えやすくすることが求められている。しかしながら、輝度比を算出するための輝度計などの装置を各事業者が持ち合わせているとは限らず、目視などの簡便な手法によって輝度比の確保ができることが望ましい。目視による試料の評価方法については、例えばJIS Z 8723、JIS K 5600-4-3がある。ただしこれらは無地の試料を評価することを前提としており、近年トイレで利用されることの多い木目柄をはじめとした柄のある試料の評価にそのまま適用できるものではない。また、JIS規格では、色比較の作業面の照度は1000lx~4000lxの間とし、暗い色を比較する場合は4000lxに近い方が望ましいと記されている。さらに、観察者は色覚検査で検査をして色覚が正常であることを確認することが望ましく、色覚は加齢と共に大きく変化することから、40歳以上の観察者では、より精度の高い色覚検査をすることが望ましいと示されている。このように、目視による評価方法の要件は、実際の駅トイレや社屋で試料を目視評価する際などの実運用上は制限が厳しいものになっている。そこで、無地だけでなく木目のような柄のある試料の目視評価の精度を実験室実験によって検証した上で、試料の評価手法と補正式を提案し、評価時の照度や年齢の要件等が精度に与える影響についても併せて検討した。
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