日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P1-1
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刺激の時間周波数が知覚時間の歪みに与える影響
:視覚と触覚における比較
*高橋 礼*高山 泰子*四本 裕子
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抄録
私たちが知覚した時間の長さと物理的な時間の長さは乖離することがある。これまでに、視覚フリッカー刺激は知覚時間を延長し聴覚フラッタ刺激は知覚時間を短縮することが示されてきた。また、視覚刺激のsaliencyで知覚時間の歪みを説明するモデルも提唱されている。一方、触覚における時間知覚の研究は少なく、視覚や聴覚と比較して分かっていないことが多い。本研究では、触覚フラッタ刺激の時間周波数が時間知覚に与える影響を調べた。実験1では、視覚および触覚においてフリッカー(フラッタ)刺激を用いた間隔時間弁別課題を行った。実験の結果、モダリティ間で知覚時間の歪みの量が有意な正の相関を示した。実験2ではフリッカー(フラッタ)刺激に対するsaliencyと絶対閾を計測したが、どちらも知覚時間の歪みとの相関を示さなかった。これらの結果は触覚における時間知覚メカニズムが視覚と類似していることを示唆するが、知覚時間の歪みはsaliencyでは説明できない可能性も示した。
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